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2025.08.24
今回のテーマは、知的障害と永久固定です。知的障害のお子様をお持ちのお客様から、障害年金の請求を依頼されることがありますが、20歳の時に申請し、障害基礎年金2級を受給できました。しかし、年金証書を見ると、3年の有期認定になっています。親御さんの気持ちとしては、よくなるはずのないわが子は、永久固定になると固く信じていらっしゃいました。今後更新の度に診断書を取り、日本年金機構に提出しなければならないとなると、時間とお金がかかり、非常に不満な気持ちをお持ちになっていました。

過去の事例をみると、永久固定になる例は少なく有期固定になるのがほとんどのようです。令和5年度の例で言うと、新規裁定で1級の35.5%が、2級の3.6%しか永久固定にならないようです。
ここで、昭和45年11月28日、当時の社会保険庁が都道府県民生主管部(局)長あてに出している通達を見てみましょう。「障害年金受給権者等に係る障害状態の再認定について(国民年金法)」と題する通達(令和2年10月26日最終改正)です。以下は、その要約を引用します。
「1.障害の状態が永続的に国民年金法施行令別表又は厚生年金保険法施行令別表第1(以下「政令別表」という)に該当する状態(以下「永久固定」という)であると認められる場合にあっては、障害の状態についての再認定は、原則として要しない。」
「2.障害の状態が永久固定であると認められない場合は、受給権者等の症状に応じ、障害認定日、事後重症請求に係る請求日又は再認定に係る障害状態確認届(医師・歯科医師の診断書)の提出期限から1年以上5年以内の期間(以下「更新期間」という)を設定し、更新期間が満了する日の属する年における受給権者等の誕生日の属する月の末日までに受給権者等に障害状態確認届を提出させて、再認定を実施すること。」
「3. 更新期間は、以下の点を参酌しつつ、障害認定医の医学的判断に基づき決定すること。
(1)次の①又は②の場合は、5年を目安として更新期間を設定すること。
①受給権者等の症状の変化が想定されにくい場合
②政令別表に該当する障害の状態が、5年程度は継続される蓋然性が高いと判断される場合
(2)参考までに更新期間を5年と設定することが妥当と考えられる症例を示せば、概ね次の通りである。
①~④ 省略
⑤精神障害関係
イ 精神障害
(ア)重症の状態にあり、かつ、その状態が2~3年程度続いている統合失調症
(イ)毎年病相期が発現している双極性感情障害(そううつ病)
(ウ)前期統合失調症及び双極性感情障害(そううつ病)に準ずる程度の非定型精神病
(エ)難治性の真性てんかん及び症候性てんかん
(オ)症状性を含む器質性精神障害で、指導・訓練によって日常生活能力の回復が期待できるもの
ロ 知的障害
指導・訓練によって日常生活能力の著しい向上が期待できるもの
(3)新規認定に際しては、まずは、障害状態が永久固定に該当すると認められるかどうかを判断し、該当すると認められない場合は、(1)及び(2)に即して、更新期間を5年と設定するかどうかを判断する。このいずれにも該当しない場合は、3年又は2年を目安となる基準年数とした上で、受給権者等の症状の変化や審査が必要となる頻度を勘案して、更新期間を設定すること。なお、受給権者等の症状や年齢等から、短期間のうちに状態が改善する可能性が高いと判断される場合は、更新期間を1年とすることも視野に入れて検討を行う。
(4)再認定に際しては、複数回の再認定を通じて障害等級の変更がない場合や、前回判定時と障害等級の変更がなく、前回同様の更新期間が経過した時点で、障害等級が変更されない蓋然性が高いものと判断される場合は、従前よりも長い更新期間の設定を検討すること。また、再認定の審査において、障害の状態が永久固定に該当すると認められるに至った場合は、永久固定と認定して、以後の障害の状態についての再認定は原則として要しない。なお、再認定時に障害等級が変更された場合や、障害等級は維持されたものの、状態の改善傾向が把握された場合は、(3)に基づき、更新期間の判断を行うこと。 (以下省略)」
この通達の中には、永久固定に該当する判断基準が示されておりません。ということは、認定医の裁量に任されている部分が大きいと考えられます。また、過去の認定事例から、永久固定と認定されるには、障害年金請求書類において、以下の記述があることが要件とされる可能性があります。
1.医師の診断書において、「改善の見込みなし」「状態は、固定」「不可逆的である」「状況変化の可能性は低い」とはっきりと明記されていること。また、発育歴や養育歴を詳細に記載する。
2.療育手帳での判定結果
3.病歴就労状況等申立書において、日常生活状況や就労支援体制が長年変わらず、社会的適応度も一定の水準に留まっていること、日々の支援状況など、具体的に記述する。
年金証書が有期固定となったことで、それを不服として審査請求はできません。次回の更新時の障害状態確認届において、記載内容を工夫して症状固定であることをアピールするしかないようです。
