【営業時間】9~18時 ※土日祝休み。電話対応は可。
2024.06.16
今日のテーマは、うつ病です。現在、日本人の精神疾患で一番多いのがこのうつ病で、厚生労働省の統計では、2017年で全国で約130万人いると言われ、特にコロナ禍では急増したと言われています。但し、昔はそんなに多かったわけではありません。2000年ごろ、製薬会社を中心として、「うつは、心の風邪」キャンペーンが行われ、抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:SSRI)として、フルボキサミンやパロキセチンが売り出され、その作用機序としては、「脳内セロトニン神経系で、セロトニンの再取り込みを阻害することで、脳内シナプス間隔に存在するセロトニン濃度が高まり、神経伝達能力が上がると考えられ、その結果抗うつ作用や抗不安作用を示すとされています。
それで、例えば会社での仕事や人間関係で強いストレスを抱え抑うつ状態になった人に対して抗うつ薬が処方されるようになっていき、製薬会社はこれでかなりの売り上げや利益を上げるようになっていきました。
しかし、現実問題として、抗うつ薬を飲んで本当にうつ病が改善されたのでしょうか? 専門医の知見によれば、抗うつ薬を飲んで効果が上がるためには、一定の要件があると言います。
まず、①アルコール(酒類)は飲まないこと。②十分な睡眠をとる(7~8時間)③運動をする(散歩やウオーキングでよい)④食事療法(十分な栄養、ビタミン、ミネラルの摂取、甘い物の摂取を控える)が必須と言われています。
上記の要件を無視して、抗うつ薬を増やしていっても全く症状が改善しないという事態になります。
一般論として、中程度や軽度の抑うつ状態である人に対して抗うつ薬を処方しても効かないことが多いし、むしろ、時間がかかってもよいので、睡眠、運動、食事のほかに、軽い人間関係を維持する方が、回復を早めることが実証されています。家に閉じこもっていては、回復が遅くなるのです。
それでは、既に抗うつ薬を飲んでいる人は、どうすればよいのでしょうか? 生活習慣(睡眠、運動、食事)を改善すると共に、医師の指示に従い、徐々に減薬していくのがよいと言われています。急に断薬すると禁断症状が出てしまうためです。
最後に、うつ病にならないための生活習慣や方策はとして、
①十分な睡眠をとる。かつ、寝る時間と起きる時間をいつも一定に保つ。時には昼寝をする(15分程度)。②食事としては、糖類を控える。タンパク質、ミネラル、ビタミンをしっかり取る。③腸内環境を整える。④アルコールやカフェインは控える。⑤運動は、ウォーキングで7000歩程度。⑥人とのコミュニケーションを保つ。孤立・孤独を避ける。どうしてもできない場合はペット(犬・猫)でも可。
が挙げられます。
最後に、独協医科大学 埼玉医療センター こころの診療科 井原 裕先生のYoutoube 動画がありますので、参考になさってください。