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2018.07.08
もし、あなたが重い病気になった場合、あなたの会社は治療と仕事の両立についてしっかりとした体制が整備された状態になっているでしょうか? 病気のことを上司に告げた途端、退職勧奨されてしまったら、最悪の会社に入ってしまったと後悔するでしょうし、そのような会社で誰も働きたいと思わないでしょう。
ここでは、ガンになってしまった従業員に対して、治療と仕事の両立をどう進めていくかについて考えてみます。
会社側の両立支援のための環境整備には以下のことが考えられます。
(1)会社による支援のための基本方針の従業員へ周知
会社の両立支援の基本方針やルールを作成し、それを従業員に周知させることで、両立支援の必要性を理解させ職場の環境づくりの基礎とします。
(2)研修などによる両立支援に関する意識の醸成
誰もが当事者になり、また同僚になりうることを理解させ、両立支援への意識を高めます。
(3)相談窓口の明確化
従業員が安心して相談や申出ができるよう相談窓口を決定し、周知します。
(4)本人の同意
治療と仕事の両立支援を行うためには、病名、症状、治療状況など、病気に関する情報が必要ですが、これらの情報は本人の同意がなければ取得することはできません。職場の上司は、本人の同意なく他人に話してはなりません。
以上のことに留意しながら、体制を整備しましょう。
次に、相談者からの対応と進め方ですが、
多くの場合、突然「ガン」と診断されると、心に大きな衝撃を受け、強いストレスとなります。治療が長期にわたり体調不良が長く続くとメンタル不調で「うつ状態」になることも少なくありません。その結果、生きる希望が持てず、治療意欲が低下し、仕事どころではなくなり、早まって退職を選択する人が見くけられます。しかし、退職した人の多くは後悔しています。精神的に不安定な時期には大事な決断は避けたほうがよいでしょう。
また、相談者にとって、病気を打ち明けるのは、勇気がいることです。まず、お見舞いの言葉をかけ、相談者の悩みを聞き、「まずは病気を治すことが先決」であることを伝えましょう。
就業上の配慮(短時間勤務、時間外労働の免除、軽度な業務への転換など)については、人事労務担当者や保健師、産業医などとの相談の上決定しましょう。
両立支援の進め方は以下の流れで進めましょう。
①従業員からの申し出
↓
②会社側が就業の可否を判断
本人からの情報に基づき、産業医や保健師の意見を聞き、家族や人事労務担当者を交えて面談して決定
↓
③a 休んで治療 ③b 働きながら治療
↓ ↓
④休業期間中の対応
月1回程度、治療の状況、今後の見込みなどを確認 ↓
↓
⑤職場復帰 ↓
会社側が「両立支援プラン」を作成 「両立支援プラン」の作成
⑥就業開始
↓ ↓
⑦両立支援計画に基づく就業後のフォロー
本人が頑張りすぎないように配慮しましょう!
支援を受ける従業員は、周囲に対して一時的に一定の負荷がかかることを考慮し、理解をえるため、必要な範囲内で、情報開示をしましょう!