うつ病で障害年金2級受給後、注意すべきこと(国民年金保険料など)|浜松の社労士事務所

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うつ病で障害年金2級受給後、注意すべきこと(国民年金保険料など)

2018.11.05

30歳くらいで「不安神経症」と言われ、その後「うつ状態」から「うつ病」を発症。国民年金第3号被保険者(専業主婦)を想定して考えてみます。この場合、精神の障害認定基準は、以下のようになっています。

1級:日常生活の用を弁ずることを不可能ならしめる程度のもの

2級:日常生活に著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

3級:労働に著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
及び、労働が制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度のもの

また、認定要領では、

1級:気分(感情)障害によるものにあっては、高度の気分意欲行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの

2級:気分(感情)障害によるものにあっては、気分意欲行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつこれが持続したり頻繁に繰り返したりするため、日常生活に著しい制限を受けるもの

3級:気分(感情)障害によるものにあっては、気分意欲行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり繰り返し、労働が制限を受けるもの。

となっています。

更に精神障害の等級判定ガイドラインでは、

医師が記載する「診断書」記載項目のうち、「日常生活能力の程度」の5段階評価のどれに当るか、また、「日常生活能力の判定」の各7つの項目の平均値をマトリックス表で見て、どの等級に該当するかの目安とする、としています。
例えば、日常生活能力の程度が(4)で、日常生活能力の判定の平均値が、3.2とすると、マトリックス表から2級相当であることが読み取れます。

実際には、障害年金請求書が各地域の年金事務所で受理された後、東京の障害年金センターに集められて、障害認定医が総合的に判断して等級を決定します。

今回の女性の場合、日常生活にも支障があり、当然仕事をすることができないということになれば、2級相当と判断されます。
障害基礎年金の請求書を年金事務所に提出し、3ケ月後にめでたく2級の支給通知書が届いたと仮定します。

障害基礎年金は、定額であり、2級の場合、779,300円(年額)、高校生までの子供がひとりいれば、224,300円(年額)が加算されます。ただ、実際の入金までには、さらに2ケ月程度かかります。

さて、ここからが問題です。
受給が決定すると、年金証書が送られてきます。そこには、次回の更新の時期が記載されていて、たとえば、有期固定「1年」ということであれば、1年後の日付が明示されていて、その時期に再度医師の診断書を提出しなければなりません。

1年後の診断書で、障害の程度が軽減されて3級相当になった場合は、障害基礎年金は打ち切られます。なぜなら、障害基礎年金には、1級と2級のふたつしかないためです。障害厚生年金であれば、3級まであるので額が減るものの最低保障で、584,500円が支給されますが障害基礎年金は3級はないので、不支給となってしまいます。この点注意が必要です。

更に、今回のケースで、夫と離婚した場合はどうでしょうか? その場合、国民年金の第3号被保険者から第1号被保険者に変更ということになります。そうすると、国民年金保険料を払わなければなりませんが、2級の場合「法定免除」の届出ができます。当面は法定免除で保険料を支払わなくてもOKですが、将来的に障害が軽減した場合、障害基礎年金が不支給となり、さらに老後の老齢基礎年金も減額されてしまいます。

というもの、法定免除で保険料の支払いを免除されていた期間は、老齢基礎年金の年金額の計算では、2分の1でカウントされるため、たとえば法定免除期間が10年あったとすると、老後の老齢年金の年金額を計算するときは5年分の支払いとなりますので、かなり不利になります。

というわけで、障害年金2級は、法定免除の対象ですが、将来の老齢基礎年金の減額を少なくするためにも国民年金保険料を支払うこともできます。

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