不当解雇は労働審判申し立てを!(その2)|浜松の社労士事務所

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コラム

不当解雇は労働審判申し立てを!(その2)

2018.12.24

前回は、労働審判とは何か、その特徴、メリット・デメリットなどについて説明しました。

それでは、具体的な事例を上げて説明していきます。

(1)会社の違法行為を通報したことによる懲戒解雇又は退職強要の場合
会社が通常行うべき検査を行わず、データをねつ造し、検査結果報告書を長年にわたって行っていたという場合、対象者が人事異動でそのような部署に配属され、現実に法令違反を目のあたりにして、これは見逃すことができないとして内部告発した場合、それを知った上司から懲戒解雇の通知を受けたケース。

懲戒解雇をする場合、就業規則に解雇にあたる例示的な懲戒事由が明記されていなければなりません。内部告発をしたことは懲戒事由に該当しないと考えられますので、内部告発を理由とした懲戒解雇は、不当解雇となる可能性は大です。解雇自体が無効ということです。
又、懲戒解雇と行かないまでも、閑職への配置転換、仕事をさせない等の嫌がらせにより退職を強要してくる場合もあります。労働者が会社側の退職圧力に耐えきれず退職してしまう場合もあります。

このようなケースで、労働審判を申し立てる場合、「解雇の無効」と「解雇以降の未払い賃金の請求」を労働審判申立書に記載します。「申立ての理由」欄には、内部告発の正当性(会社の法令違反の実態)と会社側の対応状況を記載します。
一方、会社側の答弁書には、「本解雇は、内部告発を理由としたものではないこと。他の規律違反によるものであること。」を抗弁してくる可能性があります。それを裏付ける資料として勤務態度などの勤怠状況、同僚の証言、取引先からの苦情など労働者の非のある証拠を提示してくるでしょう。労働者側としては、それに反論できる証拠も準備しておかなければなりません。

第一回目の審理では、申立書と答弁書に基づき、お互いの主張が行われ、労働審判委員が両当事者に質問し、両当事者がそれに答えていく形で進行します。その後、争点整理が行われます。

第二回目の審理では、第一回の審理で整理された証拠調べを行い、必要があれば、当事者が口頭で意見を述べ合い、調停に入っていくことになります。

第三回目の審理では、調停案が出ている場合には、合意できるか検討が行われ、合意できなければ、審理の終結となり、審判がだされることになります。

審判に不服があれば、2週間以内に異議を述べることになります。その結果、訴訟への移行することになります。

 

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