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コラム

老齢年金で妻が年上の場合は、いきなり振替加算となる!

2019.02.02

老齢基礎年金の受給に関して、「振替加算」というものがあります。老後の年金は、従来は夫婦単位でしたが、昭和61年4月1日以降の新法では、個人単位に支給することしたため、専業主婦の方の老齢基礎年金が相対的に低くなる傾向にありました。そこで、老齢基礎年金に一定額(生年月日により決定)を支給し、少しでも多くなるようにしました。この一定額のことを「振替加算」といいます。

夫が年上の場合は、夫が65歳になると加給年金が付加され、妻が65歳になった時点で終了します。その後妻の側に「振替加算」がつく形になります。

ところで、妻が年上の場合は、どうなるのでしょうか? これが今日のテーマです。

まず、振替加算が加算される妻の要件をみておきましょう。
昭和41年4月1日までに生まれた老齢基礎年金の受給権者であること。
②夫が65歳に達した日において、夫によって生計を維持していたこと。
(つまり、住民票の住所が同一で妻の年収は850万円未満であること。)
③夫が65歳に達した日に前日において夫の老齢厚生年金の加給年金の基礎となっていたこと。
(具体的には、夫が厚生年金に20年以上加入しており、夫が年上であったなら加給年金を受給できる状態であったこと。)
そして、さらに
妻の老齢厚生年金の被保険者期間の月数が240月未満であること。
⑤妻が障害年金の受給権を有しないこと。

夫の側の条件としては、
老齢厚生年金の加入期間が240月以上であること。
又は
②障害厚生年金の受給権者(1級又は2級)であること。

となります。

妻が年上の場合は、夫より先に65歳に到達し、老齢基礎年金を受給することになります。この時点ではまだ振替加算は加算されません。夫が65歳に到達すると、その時点で妻が夫によって生計を維持されていれば、翌月から老齢基礎年金に振替加算が加算されることになります。

一度、振替加算が加算されると、夫と離婚や死別してもなくなることはありません。ただし、離婚による年金分割により、妻の厚生年金の被保険者期間が240月を超えることになったときは、振替加算は行われなくなりますので注意が必要です。

又、妻が老齢基礎年金を繰上げしていた場合は、夫が65歳になった時点から減額されない振替加算が付加されます。更に繰り下げをしてまだ老齢基礎年金を受給していない場合は、繰り下げ後の受給時点から増額されない振替加算が付加されます。

尚、振替加算の年額は、以下の表のとおりです。ご参照ください。

妻が年上の場合の振替加算は、届け出が必要になります。日本年金機構からハガキが届いたら、年金事務所に行き、「国民年金 老齢基礎年金額加算開始事由該当届(様式222号)」を提出しましょう。届け出用紙は、年金事務所にあります。届いたハガキと認印、年金手帳と本人確認できるもの(運転免許証など)を持参します。添付書類として、戸籍謄本、世帯全員の住民票、妻の所得証明書を市役所等で取得します。この場合、夫の65歳の誕生日以降の日付のものを準備してください。

尚、生年月日が昭和41年4月2日以降の妻には、振替加算は発生しませんので、ご注意ください。

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