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2019.05.02
みなさんは、体の不調を訴えて病院などを受診した際、医師からどんな処方をされるでしょうか? 風邪で熱があれば解熱剤、咳が止まらなければ咳止めと、出ている症状を抑える薬を処方されるのが一般的ではないでしょうか。
こころの不調の代表例である「うつ」の場合も全く同様で、精神科や心療内科を受診すると、「眠れない。」と言えば睡眠薬を、「気分が落ち込む。不安感がある。」と言えば、抗うつ薬を処方されるでしょう。
最初は投薬で症状を抑えることができても、うつなどの精神の病気の場合、長期間投薬しても症状がなかなか改善せず、薬の量を増やしたり別の種類の薬を加えて、多剤併用の負のサイクルに陥ってしまう。そんなことはないでしょうか?
10年ほど前から、うつなどの精神状態を改善する方法として、食事療法が注目されています。最近発売された書籍で、精神科医の藤川徳美さんの「薬に頼らずうつを治す方法」の中にその事例が紹介されています。
「今の一般的な精神科が治療で目指すところは、【寛解】(病気の症状がほとんどなくなったものの、完全に治癒したわけではない状態)であり、【完治】(薬の服用をしなくてよい状態)ではない。」ということ。 したがって、薬の服用をやめれば、また症状がぶり返してしまうため、長期間服薬しなければならないことになります。この状態は好ましい状況ではありません。
「うつ」病になるのは、仕事上のストレスや長時間労働、職場の人間関係、出産、家族関係などが原因であったりしますが、体に必要な栄養が不足して症状が加速される場合があるようです。特に不足する栄養素として、
①たんぱく質(特に動物性たんぱく質)
②鉄分(ヘム鉄)
③ビタミン・ミネラル類
そして、制限するものとして、
●糖質(スイーツ、果物、お菓子類、ごはん、パンなど)
があります。
以下、具体的な事例として、上記の藤川さんの本から引用します。
★20年以上悩み続けたパニック障害
Nさん(40歳代女性)は、20代のことから急な動悸や呼吸困難、突然起こる激しい不安などに悩まされていました。パニック障害は、発症すると外出するのが怖くなり、家にこもりがちになるケースが多いのが特徴です。電車やバスに乗ることができず、買い物にも行けないといった状況が続くと気持ちが落ち込んでうつ病を併発することもあります。病院で、「パニック障害」と「うつ病」との診断を受け、処方された薬(以下参照)をずっと飲み続けていました。
●デパス 1mg X 3錠 (抗不安薬)
●ソラナックス 0.8mg X 3錠(抗不安薬)
●サインバルタ 20mg X 2錠(抗うつ薬)
●リーマス 100mg X 2錠(気分安定薬)
初診時の血液検査で、タンパク質と鉄分が不足していることが判明。そこで、食事に占める糖質の割合を減らし、肉や卵など、動物性たんぱく質を食材のメインにするようにアドバイス。1年半かけて、食事の改善と減薬を実行。
2年経過した時点では、服薬は継続していますが、20年以上悩み続けた症状はほとんど消失しています。家事もこなせるようになり、将来は薬を完全になくすことを目指しています。
これ以外にも具体的な事例が載っています。関心のある方は、ぜひ一読してみてください。