日本で就労していた外国人が帰国するともらえる脱退一時金とは?(その1)|浜松の社労士事務所

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日本で就労していた外国人が帰国するともらえる脱退一時金とは?(その1)

2019.07.04

今日は、外国人と年金の話です。外国人でも、日本に居住する中長期在留者は、国民年金又は厚生年金に加入する義務があります。国民年金法や厚生年金保険法の加入要件には国籍要件がないためです。日本人だけでなく、外国人であっても要件を満たせば加入しなければなりません。そこで、日本に入国し、数年間就労し帰国する場合、その間の保険料がいわば掛け捨て(ムダ)になってしまいます。

その時に請求できるのが、「脱退一時金」です。おおよその目安として、自分が支払った保険料の合計額の約半分が戻ってくることになります。それでは、まず、脱退一時金を請求できる要件を厚生年金で見ていきましょう。

(1)脱退一時金の支給要件(厚生年金の場合)

脱退一時金をもらえるためには、以下の要件を満たしていなければなりません。

外国人(日本国籍を有しない)であること。
➡従って「帰化」した場合は対象になりません。在留資格が「永住者」の場合は請求可能です。
厚生年金保険の加入期間の合計が6ケ月以上であること。
老齢厚生年金などの受給権を満たしていないこと。
10年以上厚生年金に加入している場合は、受給権が発生するため請求できません。
また、障害年金を受給したことがある場合も請求できません。更に、永住者の場合、合算対象期間(20歳から日本への入国までの期間)を含めて10年以上であれば、脱退一時金は請求できません。

以上の要件を満たした方が、出国後2年以内に日本年金機構に請求手続きを行うことができます。2年以上経過してしまうと請求することができません。

(2)脱退一時金の計算方法(厚生年金の場合)

厚生年金の場合、脱退一時金の額は、以下の計算式により、計算します。

◆ 厚生年金加入期間の平均標準報酬額 X 支給率

={(加入期間の標準報酬月額 + 標準賞与額)/総加入期間の月数 }X{最終月の前年10月の厚生年金保険料率X0.5X(6~36)

最終月(資格喪失日の属する月の前月)が平成30年(2018年)9月から令和元年(2019年)8月までの場合は、平成29年10月の厚生年金保険料率が18.300%であるため、支給率は、以下のようになります。

(3)脱退一時金の計算例

例えば、日系ブラジル人(定住者)が平成25年(2013年)4月に日本に上陸し、在留資格「定住者」として自動車メーカーに就職し令和元年(2019年)7月に帰国するケースを考えてみましょう。厚生年金加入期間は、75ケ月となります。

その間の給与は、年金事務所のMW画面、基礎020-002画面で、以下のようだったとします。

上記のデータから、標準報酬額の合計は、
200 x 5 + 200x12 + 220×12 +240×12 + 260×12 + 280×12 + 300×10 + 400×4 = 20,000 (千円)
となります。
ここから、平均標準報酬額は、20,000(千円)÷75 = 266,667円 となり、
脱退一時金の額は、266667円 x 3.3 = 880,000円 となります。

いかがでしょうか? 参考にしてください。

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