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コラム

夫が厚生年金を繰り下げ中、そのとき年下妻が65歳になったら振替加算はどうなる?

2019.07.26

今日のテーマは、厚生年金の繰り下げと基礎年金の振替加算の関係についてです。

夫は、昭和26年6月2日生まれの68歳現在老齢厚生年金(450月)及び老齢基礎年金を繰り下げ中。妻は、昭和29年7月20日生まれの65歳。専業主婦で、厚生年金の被保険者期間はありません。このとき、妻は65歳になったので、年金事務所に老齢請求書を提出しました。この場合、妻に振替加算はつくのでしょうか?

上の状況を図に表すと以下のようになります。

回答をする前に、振替加算の要件を復習してみましょう!

夫の要件
老齢厚生年金・共済退職年金などの加入月数が240月(20年)以上であること。
②又は、障害等級1級・2級の障害厚生年金・障害共済年金等の受給権を有するものであること。

妻の要件
①大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた老齢基礎年金の受給権者であること。
65歳に達した日において、上記の要件を満たした夫によって、生計を維持していたこと。
65歳に達した日の前日において夫の加給年金の計算の基礎になっていたこと。

(注)生計維持の定義は、「生計を同じくし、前年の年収が850万円(所得655万円5000円)
未満のもの」となります。

振替加算の実施時期
・原則として、上記の要件をすべて満たした日の属する月の翌月から支給します。
・妻が年上の場合は、夫が加給年金の要件に該当した時点(通常は65歳)において
妻が夫によって生計を維持していれば、その翌月から支給します。

振替加算の調整
●妻が「加入月数が240月以上の老齢厚生年金」を受給できるときは
振替加算を行わない。
振替加算が行われた老齢基礎年金は、妻が障害基礎年金、障害厚生年金等の支給を
受けることができるときは、その振替加算は、支給を停止します。

 

以上を考慮し、振替加算が支給されるか考えてみましょう。
・夫は、60歳時点で450月と240月以上ですので、要件を満たしています。
・妻は、昭和29年生まれで、昭和41年4月1日前の生まれであり、
65歳では夫によって生計を維持し、夫の加給年金の計算の基礎になっており、
厚生年金の加入はありませんので、要件を満たしています。

従って、夫が老齢厚生年金を繰り下げし、加給年金がつかない状態であっても
妻が65歳に達した日の属する月の翌月より、老齢基礎年金に振替加算が
付加されることになります。

ちなみに、振替加算の金額ですが、妻の生年月日(昭和29年7月20日)の場合、
平成31年度の価額は、56,799円/年、月あたり4,733円となります

年金事務所に請求する時は、老齢請求書と同時に「国民年金 老齢基礎年金額加算開始事由該当届
を提出しましょう。様式は、第222号になります。また、記入例は以下となります。参照してください。

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