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2019.12.29
お客様で、有料の職業紹介事業をやりたいので許可を取りたいと言う方がいらっしゃいます。その場合、注意すべきことはどんなことでしょうか?
●有料職業紹介事業とは
「有料職業紹介事業」とは、「営利を目的とするか否かにかかわらず、職業紹介に関し手数料又は報酬等の対価を受けて行う職業紹介事業」を言います。有料職業紹介事業は厚生労働大臣の許可を受けて行うことができますが、港湾運送業務や建設業務に就く職業を紹介することは禁止されています。(厚生労働省HPより抜粋、以下同じ)
ここで、「職業紹介」の定義は以下のようになっています。
「職業紹介」とは、「職業安定法第4条第1項において、求人及び休職の申し込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんする」ことを言います。
したがって、「自らは求人や求職を受けず、求人・求職の申し込みを勧誘する業務」や「職業紹介事業者に求人求職を全数送付する(いわゆる丸投げする)業務」「職業紹介事業者に対し、求人申し込みの意向を持つ者がいる旨の情報提供」を行うことは、職業紹介に該当しません。
●申請から許可までの流れ
申請から許可までは、以下のような形になります。
①事業計画の策定と事業所の確保準備
②職業紹介責任者の決定と職業紹介責任者講習の受講
③申請書類等の準備
④申請(都道府県労働局へ)
⑤都道府県労働局による申請書の受理・内容確認
⑥都道府県労働局による事業所実地検査
⑦申請書類等の厚生労働省への送付
⑧厚生労働省が労働政策審議会へ諮問
⑨労働政策審議会での審査
⑩労働政策審議会による厚生労働省への答申
⑪許可証の発行
⑫都道府県労働局による許可証の交付
⑬申請者の許可証の受領と事業開始
申請から許可証の受領までは、通常3ケ月程度かかります。
●有料職業紹介事業の許可要件とは?
(1)財産的基礎要件
まず、有料職業紹介事業を安定的に継続するだけの財産的基礎があることが第一要件です。具体的には以下の通りです。
①資産の総額から負債の総額を控除した額が500万円以上であること。
複数の事業所で実施する場合は、その事業所の数に500万円を乗じた金額以上であること。
②現預金の金額が以下の金額以上であること。
150万円 + (実施する事業所の数 - 1 )X 60万円
(2)個人情報適正管理要件
①個人情報管理体制が整備されていること。
イ)個人情報適正管理規程を定めていること。
ロ)個人情報適正管理規程を遵守し、従業員に遵守させること。
ハ)個人情報収集、保管、使用について、以下の個人情報を収集してはならない。
・人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地、思想及び信条、労働組合の加入状況など
②個人情報管理について、適切な措置が取られること。
(3)事業適正遂行要件
①代表者及び役員は、法32条に規定する欠格事由に該当する者でないなど。
②職業紹介責任者は、法32条の欠格事由のいずれにも該当せず、3年以上の職業経験を有し、職業紹介責任者講習を受講すること。
③実施する事業所が、位置、構造、設備等からして、紹介事業所として適切であること。
(4)適正事業運営要件
①事業運営規程を有し、適正に運営されること。
②適法な手数料を徴収すること。
(5)海外にいる外国人を職業紹介する場合の適正要件
①入管法を厳守すること。
②適正な取次機関を利用すること。
③求職者に対し、保証金や違約金を定める契約などのある職業紹介ではないことなど。
以上、詳細は、厚生労働省HPを参照してください。
●有料職業紹介事業許可申請のための書類
有料職業紹介事業許可申請のための提出書類は、以下の通りです。
(1)有料職業紹介事業許可申請書(様式第1号) 3部
(2)有料職業紹介事業計画書(様式第2号) 3部
(3)届出制手数料届出書(様式第3号) 3部
(4)以下の添付書類 2部
①定款(有料職業紹介事業が含まれたもの)
②登記事項全部証明書
③代表者、役員、職業紹介責任者の住民票(個人番号の記載のないもの)及び履歴書
④職業紹介責任者の講習会受講証明書の写し
⑤直近の事業年度の貸借対照表及び損益計算書
⑥直近の事業年度の確定申告書の写し、法人税の納税証明書、株主資本等変動計算書
⑦個人情報適正管理規程
⑧業務運営規程
⑨事業所建物の登記事項証明書又は賃貸借契約書
⑩手数料表(様式例第3号ー1)
⑪海外からの外国人の職業紹介の場合は、取次機関に関する書類など
以上になります。 参考としてください。