広汎性発達障害(ASD)で障害基礎年金2級を受給できた事例|浜松の社労士事務所

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コラム

広汎性発達障害(ASD)で障害基礎年金2級を受給できた事例

2022.02.01

今日は、発達障害で障害年金を受給できた事例を紹介します。

現在「発達障害」は、日本では大変増えている精神疾患で、こどもの発達障害が有名ですが、大人になってから発達障害と診断されることがあります。自閉症スペクトラム障害(Autism  Spectrum  Disorder :  ASD)と呼ばれる症例がそれに当たります。

特徴としては、以下の点が挙げられます。
(1) 他人とのコミュニケーションが取りづらい
幼少期では、一人遊びが多く、集団での遊びを好みません。学生時代は、問題になることが少なく、社会人になって問題を起こす人が多いようです。言われたことを文字どうりに受け取ってしまう。融通が利かない。

(2)限られた対象や習慣などにこだわりが強い
自分の興味を持った対象には、異常に詳しくなり、「〇〇マニア」と呼ばれたりします。また、同じ行動様式を取りやすい。例えば同じ食べ物を毎日食べるとか、同じ道順でないと気が済まないとか。

(3)感覚過敏になったり、あるいは、感覚鈍麻になる
光や音に過敏になり、集中できないとか、あるいは、別の刺激には、無関心になる。

以上が、ASDの主な特徴ですが、社会に出てから問題が顕在化するため、不安障害、適応障害、うつ病などを併発する場合が多いと言われています。

30歳代男性で、国立大学卒業後、就職するも会社内での人間関係でうまくいかず、トラブル続きで、会社を退職、その後メンタルクリニックを受診したところ、発達障害と診断される。在職中に診断をうければ、障害厚生年金の対象でしたので、非常に残念な事例です。退職後は、自宅に閉じこもり、人とのかかわりを絶ち、投薬治療を受けるも甚だしくは改善せず、現在に至る。

この方の場合は、退職後に初診日があるので、障害基礎年金になってしまいます。そうすると、2級以上でないと障害年金はもらえません。 精神の障害用の診断書(様式第120号の4)の裏面、「2日常生活能力の判定」は、平均2以上、かつ、「3日常生活能力の程度」は(3)又は(4)でないと2級の判定は難しいでしょう。そして、「⑪現症時の日常生活活動能力及び労働能力」の欄には、「就労が困難」との記載が必須です。 それ以外にも総合的に見て、2級の障害認定基準に該当すれば、障害年金がもらえます。
この方は障害年金請求の結果、障害基礎年金2級を受給することができました。年額で約78万円になります。これですと月6万5000円になりますので、これで生活費の全部を賄うことは難しいですが、親との同居ですので、当面は何とか生活は可能かと思います。今後は、就労を目指して頑張って欲しいと思います。

因みに、発達障害における障害認定基準は以下のようになっています。

1級:発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動が見られるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの

2級:発達障害があり社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動が見られるため、日常生活への適応に当たって援助が必要なもの

3級:発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの

広汎性発達障害(ASD)で障害基礎年金2級を受給できた事例

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